先日、タイプファウンダリ・プロジェクト「kern typefaces」についてお知らせをしましたが、その第一号の書体となる「Flux(フラックス)」の公開準備が整いましたので紹介いたします。
Flux について
「Flux」は、利用者がサンセリフからセリフへと自在にコントロール可能なバリアブルフォントです。

バリアブルフォントといえば、太さ(ウエイト)や傾斜(スラント)に可変軸を持つ書体が親しまれていますが、私たちはこれをスタイルに適用しました。これにより、「見出しはセリフ、本文はサンセリフ」というような視覚的なコントラストを、1つの書体で実現することができます。
開発の背景には、拡大するコンテンツクリエイターの存在があります。
私のようにロゴを制作している人間は、それぞれの書体の特徴に着目して選定と編集を行います。一方で、写真や動画、Vlog 等を制作している人々は制作物に合ったフォント選びをするのだから、それらに合わせて(制作者自身が)簡単に字形を変えられるほうが助けになるのではないかと思い、開発に至りました。
Flux の “100 : Sans” から “400 : Serif” は比較的オーソドックスなスタイルの変化ですが、これに加えて棘のような鋭いセリフを持った “500 : Extra Serif” なるスタイルが存在します。日常的な扱いやすさを意識しつつ「もう少し視覚的に特徴を持たせられたら」という表現を、ユーザーが編集不要で行えることを目指しています。
ここまでが Flux の概要です。ぜひ本日公開の書体ページもご覧ください。
また、より詳細な情報を知りたい方に向けて、各スタイルとアンロック内容について紹介させていただきます。
500 : Extra Serif

鋭く長いセリフによって生み出されるダイナミックな表情は、あなたのクリエーションに新たな息吹をもたらします。
400 : Serif

セリフ体が持つ流麗な印象と Flux 特有のコントラストが組み合わさることで、扱いやすさと固有性の調和を求めました。
300 : Semi Serif

400 : Serif のセリフを受け継ぎつつ、強さとコントラストを抑えました。Extra Serif と後述する Sans の中間に位置するスタイルです。
200 : Flare

先端にかけて広がっていく膨らみを持つスタイルです。セリフ体ともサンセリフ体ともつかない独特な柔和さを持ちます。
100 : Sans

500 : Extra Serif とは対照的に、ディスプレイ性を抑えて汎用性を追求しました。ユーザーが設定する Flux のバリアブル値や外部の書体と組み合わせることで、最小限のフォントで多様な表現幅を実現できることを念頭に置いて設計しています。
アンロック内容

kern typefaces で販売する書体は、購入者数に応じて機能が拡張されていきます。
参考 : About kern typefaces
購入者30名 : Web フォントの追加
初版ではデスクトップ上の使用に限定されていますが、この段階では Web フォントが開放されます。
購入者数100名 : より細いウエイトの追加
現在の Flux は、一般的な書体の Medium や Semi Bold に相当します。この段階に達すると Regular や Light のような、より本文組みに最適化されたウエイトの開発を始めます。これまでの制作期間中、「細いウエイトがあればもっと使いやすくなる・・・!」と個人的にも感じていたので、ぜひとも皆さまのご支援をお願いしたいです。
購入者数200名 : より太いウエイト or 斜体(スラント)の追加
ここからは、購入者が参加できる Discord コミュニティの要望も反映しながら、アンロックやアップデートに優先度を付けて取り組みたいと考えています。意外にもウエイトや斜体より、更に強いセリフを求める声が多かったり、そうした想定外の出来事が起きないかな〜と楽しみです。
これらのアップデートは、すべての購入者が受け取ることができます。また、大きな更新ごとに価格も見直す予定で、初期に購入してくださった方ほどリターンを得られる仕組みです。
kern typefaces は作って終わりではなく、私たち自身がユーザーへ届け、みなさんと共に改良を続けるプロジェクトです。今日の発表はその第一歩に過ぎず、今後も本プロジェクトを魅力的な場にする活動を継続します。ぜひとも、kern typefaces と Flux の開発サポートをお願いいたします。




